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ECR-005 |
販売価格 |
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2010年7月26日@新宿URGAでのライヴ
「日本絶滅動物記」其の18〜「独り遊びの思想」より
1.羽衣蝶の詩
2.渓谷、深山の民〜狩猟民族の唄〜
3.棄脱の天地
4.破壊の女神
5.溶け合う二つの色に向って
6.夏の二人
7.野いちごおとし
8.薄羽蜉蝣
収録時間:57分16秒(完全収録)
切り絵/木幡東介
録音・編集/吉澤裕史
制作/エレクトレコード
★解説
本作は、数年ぶりに復活した自主企画「日本絶滅動物記」に「独り遊びの思想」とのサブ・タイトルを冠して行われたライヴの模様を収録したもの。
ちなみに今回の企画主旨は、基本的に「独りの人間の孤独な時間無くして、この世に天才や超人など絶対に生まれ得ない!!」との考えの下、そんな「自らを少数派に追いやっていく様な人達」を応援する事を目的とし、出演者を単独演奏者のみと限定したものであった。
また、収録内容的には、約2年前より実践されている弾き語り単独演奏の完成形たる、多重録音SEをバックに流しつつ生演奏による歌唱+エレキ・ギター+ギター・シンセを被せると言った形式によるものがメインであるが、木幡がこのスタイルを体得するに至るまでには、実は非常にユニークな練習方法が用いられていたそうである。
具体的には鎖国政策とでも言うのであろうか、ある日から木幡は、自分の作る音楽によって自前で娯楽を成り立たせる事・・・すなわち、自分の作品や演奏からもたらされる快楽のみで自給自足が出来る様になるまで、自分が作った音楽以外のものは一切聴かない事を決め、半年間もの長きに渡りその苦行をやり通したとの事。
そしてその結果、それまではキツイ部分であるとかシリアスな面であるとかと言った、ある一側面ばかりが強調される事の多かった木幡の作品に、現存する多種多様な音楽に含まれる快楽の素が数多くブレンドされ、自身の作品や演奏においても、そう言った豊穣なる音楽性が違和感なく発揮される様になったのだ。
・・・とは言え、それは元々、木幡自身が分け隔てなく様々なジャンルの音楽が持ち得る魅力を充分に理解した上で、なおかつそれを吸収しようとの意欲も併せ持っていたと言う点も大きく、これがもしもジャンル的に偏った好みの持ち主であれば、ここまでの成長は望めなかったと思われる。
いずれにせよ、このエピソードが物語るものは、常日頃、私達は他者や外部から受ける刺激に依存してばかりで、実際には自分自身の手によって如何に何も作り出せていなかったかと言う事の証明でもあり、本来はクリエイターであり発信者であるべきミュージシャンが知らず知らずのうちにリスナーや消費者としての立場に片足を突っ込んだまま音楽活動に取り組んでしまっている現状に対する戒めであると受け取る事も出来るだろう。
しかるに、ここで披露されているのは、真にインディペンデントな精神に基づく、自らの肉体と精神のみをその原材料として手作り栽培された音楽なのだ。
よって、その成果を是非とも皆様に一度ご賞味頂きたいと、私は切に願うものである。
2010年10月5日/Mr.エレクト(エレクトレコード代表)